導入方法

アジャイルマーケティングで利用されるフレームワーク

この記事の要約

アジャイルマーケティングで利用されるフレームワークは、アジャイル開発でお馴染みのカンバン、スクラム、スクラムバンの3つである。どの手法を利用するにしても、なるべく短い期間で価値提供を繰り返すことが推奨される。

導入初期にオススメのフレームワーク

アジャイル開発とアジャイルマーケティングの違いでご紹介した根本的な違いを踏まえた上で、アジャイル開発で使われている下記手法をアジャイルマーケティングに応用しましょう。

アジャイルマーケティングを導入する際に「どの手法が最適なのか」はチームと組織の状況によりますが、ICAgile認定アジャイルマーケティング資格(ICP-MKG)では、アジャイルに馴染みのないチームでも導入を進めやすい「カンバン」を推奨しています。

カンバン

カンバンを利用するにあたっての留意点は下記の5つです。

  1. マーケティング施策のフロー(流れ)を見える化する
  2. 取りかかる作業(WIP / Work in Process)の数を制限する
  3. フロー内の作業を継続的に管理する
  4. 各プロセスのルールを明確化する
  5. チーム全体でプロセスを継続的に改善する

まずは5分で理解するリーンな「かんばん」などで大枠を捉え、ソフトウェア開発の文脈からマーケティングの文脈にどのように応用できそうかをチームで考えましょう。

スクラム

個人業績の評価基準やキャリアパスといった部分を含めて、組織全体でアジャイルを推進していく流れがあれば、スクラムの導入も検討できます。

スクラムは経験主義(理論ではなく実践からの学びをベースにする)を基本に、プロダクトオーナー、開発チーム、スクラムマスターという役割、スプリント、デイリースクラムといったスクラムイベント、バックログと呼ばれる作成物などから構成されているフレームワークです。

まずは公式のスクラムガイドを読みましょう。なお、スクラムガイドの最後にこのような注意書きがあります。

スクラムは無料であり、本ガイドで提供されるものである。スクラムの役割・イベント・作成物・ルールは不変である。スクラムの一部だけを導入することも可能だが、それはスクラムとは言えない。すべてをまとめたものがスクラムであり、その他の技法・方法論・プラクティスのコンテナとして機能する。

とはいえ、完璧なスクラムを利用すること自体が本来の目的ではないので、あくまでアジャイルのマインドセットを持ち、マーケティングを行うためのフレームワークとしてスクラムを利用すればよいと私は考えています。

スクラムバン

スクラムバンとは、スクラムにカンバンのフローを組み合わせたものです。スクラムバンと呼ばずに、スクラムでカンバンを利用しているだけだと捉えていただいても問題ありません。

呼び方はともかく、スクラムにカンバンを利用する際の第一歩として、まずはスクラムチームのためのカンバンガイド by Scrum.orgを読むことをオススメしています。

カンバンとスクラムに共通することは、素早くかつ頻繁な価値提供を行うために「新しいことを始めるのではなく、始めたことを終わらせる(Stop Starting, Start Finishing)」というシンプルなルールです。

また、どちらのフレームワークも自己組織化され、お互いを助け合うチームが必要という点では同じですが、下記のような違いもあります。

カンバン vs スクラム

  • 役割の規定なし vs スクラムマスター / プロダクトオーナー / 開発者
  • 期間のない継続的な価値提供 vs スプリント(1ヶ月以下のタイムボックス)
  • 都度抽出される作業 vs スプリントバックログ(作業はまとめて抽出)
  • イベントの規定なし vs スプリント毎のプラニング / レビュー / ふりかえり
  • 緊急の変更も適宜対応 vs スプリント中の割り込みは基本的に不可
  • サイクルタイム(1作業完了の平均時間)vs ベロシティ(スプリントの生産性)など

どの手法を利用するにしても、短い期間で価値提供を繰り返しながら、顧客ニーズに合わせた適応を行えることがアジャイルマーケティングの強みです。